ミッション インポッシブル・・・

2010年01月04日

秘密工作員から情報がもたらされた。
彼のコードネームはBeatBear
近くのとあるスーパーで「ショートケーキのバイキングセールをやっている。」とのことだった。
この情報を私は隣町の歯医者の診察室で知ることとなった。
歯の表面をチュィ~ンとやってもらって、会計を済ませるや、さっと通勤快速のエンジンに火をいれた。

件のスーパーに到着。
店内に入ったとたんにそのコーナーが目に入った。
工作員ビートベアからの情報では、全11種類ALL100yen。




しかも、早くしないと「売り切れの虞がある」とのことだった。




コーナーに販売係の姿はなく、残り少なくなったケーキ達が寂しげに並んでいた。
ケーキ欲しいオーラを丸出しにして、目で販売係を探したがコーナーの近くにはそれらしい人はいなかった。
そのとき、右の後頭部に刺すような視線を一瞬感じた。
振り向くとそこには、眼光スルドイマダムがケーキのコーナーを睨みつけていた。
今まで私の後頭部を刺していた視線のチカラそのままに・・・

ここに早く来たのは私なのだから、このマダムより先にオーダーしなければならない、ましてやケーキの中には残りが少なくなっているものもあり焦燥感に駆られた。
必死で周りを見渡したていたら、コンニャクが並んでいる冷蔵の棚の向こうから、このスーパーの制服のようになっている緑色のエプロンをつけたオジサンがでてきた。

間髪を入れず目にチカラを入れて”ケーキが欲しい光線”を緑エプロンのオジサンに照射した。
緑エプロンはこちらが発する光線を敏感に感じ取り、「何だ?」というように近づいてきた。
この瞬間「もらった!」と思った。

これでマダムからリードを奪った。
緑エプロンにケーキが欲しい旨を伝えると、販売係を呼んでくるので少し待つように言われた。

緑エプロンが販売係をつれて、こちらの視界に入ったときだった。
マダムはケーキが並んでる台の奥に置かれていた紙のケーキ箱を見つけると同時にそれを手に取った。

やられた!と思った。
マダムは左手に箱、右手はケーキにのびつつあった。

その刹那、残りのケーキすべてが消えていくような錯覚に陥った。
しかし、マダムの左手を見ていたのは、私だけではなかった。

それを見ていた販売係がマダムに「その箱はダメだ」という、サインを出した。
マダムは少々不服そうな顔をしながら箱から手を離した。

私は満面の笑みを販売係に見せながら「全部一個づつ」とオーダーした。



11個を二つの箱に分けて詰めてもらったが、片方の箱に隙間ができて不安定になったのでモンブランを一個追加して12個にした。


工作員ビートベア・・・鼓動 熊・・・



Posted by megumi at 20:38 Comments( 8 )